「マネジメントレビューの資料、どうやって作ればいいのか全然イメージが湧かない…」「前任者のフォーマットをとりあえず使ってるけど、本当にこれで大丈夫?」 そんな不安や疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
ISO9001の運用経験者でも、マネジメントレビュー用の資料づくりは毎回悩みがちな業務のひとつ。 ですが、ポイントさえ押さえておけば“作業の負担”も“審査対応のストレス”も大きく減らすことができます。
本記事では、現場で使えるノウハウとともに、だれでも再現しやすい「資料作成術」を解説します。 「なぜこの資料が必要なのか?」「どこまでやればOKなのか?」に悩んでいるあなたの一助になれば幸いです。
マネジメントレビュー資料とは?
定義・目的
- マネジメントレビュー(経営層による見直し) → ISO9001で必須の「会社全体の振り返り会議」。
- 資料は「経営層が会社の品質マネジメントの状況を把握し、今後の方針や改善策を決める」ための“根拠”となるもの。
なぜ資料が重要?
- 記録として残すため(エビデンス)
- “抜け漏れ防止”で話し合いを漏れなく進めるため
- 外部審査・監査時の説明材料になる
マネジメントレビュー資料の作り方(ステップ・具体例)
ステップ1.アジェンダを決める
ISO9001:2015 9.3項の要求事項に合わせて、以下を網羅
- 外部・内部の課題
- パフォーマンス(品質目標の達成状況)
- 不適合・是正処置
- 顧客満足
- 供給者のパフォーマンス
- 資源(人・設備等)
- 改善の機会 ほか ※事務局で事前に「議題リスト」を作成
ステップ2.データ・事実を集める
- 例)クレーム件数、顧客アンケート結果、不適合件数、品質目標の達成率、社内監査結果、供給者評価 など
- 社内各部門から数字・レポートを収集
ステップ3.経営層向けに要点を“箇条書き”で整理する
- 「事実」「評価」「今後の対応」などを端的に
- 長文は避け、グラフや図解も活用(例:達成率グラフ、不適合件数推移)
ステップ4.資料チェック&配布準備
- 抜け・ミスがないか第三者チェック
- 会議前日までに配布・共有(デジタル・紙どちらでもOK)
よくある失敗例とその対策
失敗パターン | 対策 |
---|---|
議題が漏れている | ISO要求事項リストで“見える化”チェック |
データや実績の根拠が不明 | 出所や集計方法を明記(エビデンスを添付) |
長文で読みづらい、結論が不明瞭 | 箇条書き・グラフ・要約で「パッと見でわかる」工夫 |
資料作成がギリギリでバタバタ | 定型フォーマットを準備、進捗管理で“分担” |
過去資料の使い回しだけで流れ作業に | 前回との比較・新しい課題を必ずピックアップ |
まとめ
- 資料は「ISO要求事項を網羅」+「事実・数値で見える化」
- 経営層が“判断しやすい”ように、要点・グラフ・比較を意識
- 「自分が次回も使える」定型フォーマットで効率アップ

まっつぁん
最初は大変でも、“自分用マニュアル”を作るつもりで一度ガチで資料を組んでみるのがおすすめ。翌年以降はその型を少しずつ改良していけばOKです!
次回予告 →ISO内部監査で“よくある指摘”10選を予定しています。
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