はじめに:この記事でわかること
✅ ISO9001の「内部監査員」の定義と目的
✅ 任命~育成のステップとポイント
✅ 監査経験ゼロでも活躍できる人の特徴
✅ よくあるミスや監査で指摘されやすいポイント
突然「ISOの内部監査やって」と言われても、「え、なにをどうしたらいいの?」と戸惑う方も多いはず。この記事では、そんなISO初心者でも安心して取り組めるよう、「内部監査員」の役割と育て方についてやさしく解説します。
内部監査員とは?(定義・目的)
ISO9001における「内部監査員」とは、自社の品質マネジメントシステム(QMS)が、
- 要求事項(ISO9001)に適合しているか
- 実際に運用・維持され、効果を発揮しているか
を確認する役割を担う人のことです。
🔍【目的】
・問題点の「早期発見」と「是正のきっかけづくり」
・仕組みの見直し・改善サイクルの推進
・“審査対策”ではなく、“自社の品質向上”を目的とした活動
✅ ISOでは「有効性の監査」が求められます。「やっているか」だけでなく「成果が出ているか」にも注目しましょう。
内部監査員の作り方(STEP形式)
STEP 1:候補者の選定
- 自部門以外の人材が理想(客観性を保ちやすい)
- 「疑問を持てる力」や「対話力」がある人を優先
- 資格不要。役職や年次も関係なし(新人でもOK)
STEP 2:教育・訓練の実施
- 社内または外部研修(1~2日)でISO9001の基本と監査の流れを学習
- 「内部監査員養成研修」の修了証があればベター(対外的な説明にも便利)
- 実務に沿った「チェックリストの作り方」「質問の仕方」を学んでおく
STEP 3:OJT(実地訓練)
- 主監査員(できればベテラン)とペアで初回の監査に同行
- 質問方法、記録の取り方、報告書の書き方を現場で学ぶ
- 年1回の監査でも大丈夫なように、使いやすいチェックリストを整備しておく
STEP 4:評価・任命
- OJT後にレビュー・フィードバックを実施
- 「監査ができる」と判断されたら正式に内部監査員として登録
- 任命基準はマニュアルや手順書に明記しておくと、他部門への説明がスムーズ
よくあるミス・監査指摘(事例・対策)
よくあるNG | 主な原因 | 対策ポイント |
---|---|---|
✅ 書類を見ただけでOKにしてしまう | 現場確認・ヒアリング不足 | 実作業を「確認」「質問」する習慣を持つ |
✅ 質問が浅く、YES/NOで終わる | チェックリストの準備不足 | 「なぜ?」「どうやって?」を掘り下げる質問を心がける |
✅ 指摘を避けて“なあなあ監査”になる | 気まずさ・関係性への配慮 | 「改善のきっかけを伝える」スタンスで冷静に伝える |
フォーマット例(内部監査に必要な書式)
- 内部監査計画書(年間スケジュール)
- 監査チェックリスト(項番ベース)
- 監査記録シート(質問内容・回答・観察内容の記録)
- 監査報告書(指摘事項・所見・所感など)
👉 自社フォーマットがない場合はテンプレートを作っておくと便利です。
まとめ
- 内部監査員は「知識」よりも「観察力」と「対話力」が武器
- 候補者の選定~教育~OJTをステップ形式で行う
- 「評価と改善」の視点を持って、形だけの監査にしない
💡内部監査員は「育てて終わり」ではなく、「仕組みづくりを支える仲間」です。
次回予告
次回は【マネジメントレビューの進め方】をテーマにお届けします。
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