「マネジメントレビューって何を話せばいいの?」「とりあえず会議開いてるけど、意味あるのかな…」
そんなモヤモヤを抱えるISO初心者のあなたへ。 この記事では、ISO9001の中でも特に「形式的になりやすい」と言われがちな**マネジメントレビュー(以下、MR)**について、実務経験をもとに「進め方・注意点・ありがちなミス」までまとめました。
読むことでこんなメリットがあります👇
- 「MRって何するの?」がスッキリわかる
- 書類だけじゃなく“意味のある会議”に変わる
- 監査でも自信を持って説明できるようになる
■ マネジメントレビューとは?
マネジメントレビュー(MR)とは、品質マネジメントシステム(QMS)がうまく機能しているか、トップマネジメントが定期的に確認・見直すための会議です。 ISO9001では【9.3】項で明確に求められており、「事実に基づいた判断」+「継続的改善」のための重要な仕組みと位置づけられています。
キーワードは3つ:
- 定期的(基本は年1回)
- データに基づく(感覚ではなく事実)
- トップが関与(任せきりNG)
■ マネジメントレビューの進め方
ISOが求める入力項目(インプット)は下記の通り👇 最低限、これらをカバーした内容で進めましょう。
入力項目(インプット) | 内容例 |
---|---|
1. 前回のMR結果とフォローアップ | 前回出した課題、改善進捗など |
2. 内外の課題の変化 | 業界の変化、人材不足、法令変更など |
3. QMSのパフォーマンス | 顧客満足度、納期遵守率、品質目標達成状況など |
4. 不適合・是正処置 | クレーム、トラブルの再発防止状況など |
5. 監視・測定の結果 | 検査データ、不良率など |
6. 監査結果 | 内部監査・外部審査の指摘や対応状況 |
7. 資源の適切性 | 人員・設備・教育など足りてるか? |
8. リスクと機会の状況 | 継承できていない技術、ISOの浸透不足など |
9. 改善の機会 | 継続的改善のヒントとなる話題 |
進め方のSTEPは以下の通りです:
【STEP1】事前にインプット情報を集める
- 内部監査の結果
- クレーム件数
- 品質目標の達成状況
- ステークホルダー(顧客・取引先・社内)の要望や課題
【STEP2】議題案と資料を準備
- 情報を実施シートにまとめておく
- 必要に応じて他部署にヒアリング
【STEP3】レビュー会議を実施
- トップが必ず出席
- 実データをもとに「改善すべき点」「維持すべき点」を議論
【STEP4】アウトプット(結論)を整理
- 方向性や改善策、次年度の品質目標など
- 審査対応を意識して“言語化”して残す
【STEP5】アクションとフォローアップ
- 決まった改善事項を「いつ・誰が・どうするか」まで明記
- 次回のMRで進捗を確認できるようにする
■ よくあるミス・監査指摘
よくあるミス | なぜダメ? | 改善策 |
会議を開くだけで終了 | 実質“意味のない会議”になりがち | アクションと効果を明確に |
トップが出席していない | ISOの要求事項違反 | 会議日程を事前調整で確保 |
過去の数字だけ見て終了 | “見直し”になっていない | リスク・機会・今後の改善策まで議論 |
書類だけ作って会議なし | 審査で突っ込まれる | 実際にレビューを行った証跡を残す |
■ ツール・フォーマット例
- MR議事録テンプレート(ExcelやWordでOK)
- 入力データ一覧シート(品質目標、顧客苦情、内部監査まとめ など)
- 改善アクション記録リスト(期限・担当者明記)
※Googleスプレッドシートで共有しておくと、他部署の関与も得やすくなります。
🔳 まとめ
🔸 マネジメントレビューは“トップによる年次見直し会議”
🔸 ISOが求める9項目のインプットを事前に整理し、会議で議論・結論を残すのが基本
🔸 「意味のある会議」にするには、アクションと改善効果の“見える化”がカギ
会議をやること自体が目的になっていませんか?
ISOは「改善のきっかけづくり」として活用してこそ意味があります。
次回は「内部監査とマネジメントレビューのつながり」について解説します!
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