ISO9001の事務局や運用担当になったけど、何から手をつけていいかわからない。 とにかく運用が面倒、作業量が多すぎると感じている。 “形だけ運用”から脱却して、日々の業務にムリなく馴染ませたい——。
そんな悩みを抱えている方へ向けて、この記事では 「ISO運用が少しでも“楽”になる具体的な工夫や時短ノウハウ」 「継続しやすいコツ」「現場での“あるある”な悩み解決例」 をわかりやすく紹介します。
毎日の業務に無理なく取り入れられる実践アイデアをまとめましたので、 これからの運用見直しのヒントにぜひお役立てください。
ISO9001運用とは?(定義・目的)
ISO9001の運用とは、取得・更新だけでなく、日常業務の中で規格の要求事項(ルールや記録管理など)をムリなく回し続けることです。
しかし実際には「書類ばかり増えて手間」「監査前だけバタバタ」など、現場では“負担”を感じる声が少なくありません。
ISO9001運用を楽にする工夫10選(STEP・具体例)
1. 記録は“最小限”&“定型化”
→ 何でもかんでも記録を残すのではなく、要求事項に直結する記録だけに絞る。
ExcelやWordのテンプレート化で記入の手間・抜け漏れも減らせる。
2. “現場で完結”できる記録方法を作る
→ 紙やファイル回覧でなく、その場でスマホやタブレットで入力できる仕組み(Googleフォームなど)を活用。
3. “いつもの業務”の中にISO作業を埋め込む
→ 毎日やる作業(朝礼・定例会議など)にISOの記録や振り返りを“ついで”で入れると続けやすい。
4. “棚卸し”の定期実施(年1回でOK)
→ 記録やルールが増えすぎていないか、1年に1回“断捨離”。不要なものは都度整理。
5. “現場の声”を積極的に吸い上げる
→ 改善提案や困りごとを匿名で集めて、運用方法そのものを見直す材料に。
6. “見える化”ツールの活用
→ 手順や進捗をホワイトボードやカンバン(付箋)で見える化。
「今、どの作業が遅れてる?」がパッとわかる。
7. “監査前”の準備リストを毎年アップデート
→ 監査時によく指摘されるポイントや必要書類を「ToDoリスト化」。
チェックリストで抜け・漏れ防止。
8. “標準フォーマット”の共有&見直し
→ 各部署でバラバラに記録・報告していないか?
全社統一のフォーマットを作り、毎年見直す。
9. “教育”はマニュアル+パワポも
→ 新人教育や更新時は、マニュアルだけでなく、パワポで資料作成するなどで説明負担軽減&浸透率UP。
10. “巻き込み型”運用で“ひとり担当”をなくす
→ 事務局ひとりに負担が集中しないよう、各部署に担当者を配置して分担する。
“ISOは全員で守るもの”という文化をつくる。
よくあるミス・監査指摘(事例と対策)
- 記録が多すぎて管理できなくなっている(→記録の断捨離&優先順位付けを)
- “ISO作業”が完全に分業されて現場が無関心(→朝礼・定例会議への組み込みで“自分ごと”に)
- マニュアルが古いまま、現場とズレている(→年1回の棚卸し&現場ヒアリングで改善)
- 監査直前だけバタバタ(→監査前ToDoリスト&定期確認で平準化)
まとめ
- ISO運用は“記録・手順”の断捨離がカギ。
- 日常業務に埋め込むことで“特別作業”を減らす。
- “みんなで回す仕組み”づくりで、担当者だけに負担を集中させない。
ひとつでも「使えそう」と思ったら、ぜひ自分の現場に取り入れてみてください。
次回は最終回「ISO事務局に携わる方々へ〜」です。
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