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【ISO9001】内部・外部の課題ってどう扱うべき?

✏️ISO9001

「外部の課題って、景気とか戦争とかの話?」「内部の課題って、社長が情緒不安定とか?」ちょっと極端ではありますが…間違ってはいません。ISO9001では「組織の状況の理解」の一環として、内部および外部の課題を明確にしておくことが求められています。

この記事では、ISO9001の4.1項「組織及びその状況の理解」で出てくる「内部・外部の課題」について、事務局や内部監査員がどう扱うべきかを解説します。


🔍 内部・外部の課題とは?

内部の課題

組織の内部に起因する要因で、以下のようなものがあります。

  • 組織文化(例:トップダウンが強い、現場の声が通らない)
  • 組織構造(例:部署間の連携が悪い)
  • 人材のスキルやモチベーション(例:給料がまったく上がらない)
  • 使用している設備・ITシステム(例:PCの処理能力が遅すぎる)

外部の課題

組織の外部環境に由来するもので、以下が代表例です。

  • 法規制の変更(例:環境規制の強化)
  • 社会的トレンド(例:脱炭素、DX化)
  • 競合他社の動向、市場ニーズの変化(例:技術の進歩が早すぎる)
  • 天候、災害、地政学リスク(円安・戦争など)

✏️ どうやって洗い出す?

ポイントは実務とひもづけること

「うちの現場、ベテランが多いけど、あと5年で半分定年やな…」
→ これは立派な内部課題(人的リソースの将来リスク)

「最近、大手取引先が海外調達を増やしてるらしい」
→ 外部課題(市場の変化による受注減のリスク)

事務局が「うちの会社の弱み・変化点って何?」を考えて組織に発信していくイメージです。


🧹 課題をどう活かす?

洗い出しただけでは意味がありません。
重要なのは、課題をどう活かすか(関連づけるか)

✅【品質マニュアルやQMS文書に反映】
課題と対応を明文化しておくことで、誰が見てもわかるように

✅【リスクと機会の特定につなげる】
→ 4.1(課題)→ 4.2(利害関係者)→ 6.1(リスクと機会)の流れが重要

✅【マネジメントレビューで定期的に見直し】
環境変化があったら、マネジメントレビュー議事録に記載して次年度へ


👀 審査でよく聞かれること

  • 「組織の内部課題として、どんなことを認識していますか?」
  • 「外部環境の変化にどう対応していますか?」
  • 「課題とリスク・機会のつながりはどうなっていますか?」

表にまとめて、説明できるようにしておくのがベターです。


✅ まとめ

ポイント解説
内部課題組織内の文化・体制・人材・設備など
外部課題法規制、社会情勢、市場動向など
活かし方リスク特定・文書化・レビューでの見直し
目的品質マネジメントの適切性・有効性を保つため

「内部・外部の課題」と聞くと堅苦しいですが、要は“今とこれからの変化”を読み取って、対策していこうという話です。

事務局としては課題を検討、提示し組織へ提案することで、自身で思っていることを伝えられる絶好のチャンスでもありますよ。

次回は、はじめて聞いたら意味のわからない**「スネーク・・・じゃなくてステークホルダーって誰?」**についてです!

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